抜型技術向上ブログCutting die technology improvement blog

高寸法精度抜型の実現③

~ベニヤ溝ーアルミ溝比較~2019.08.16

抜型はレーザーでベニヤへ溝加工を行い
曲げた刃物を埋め込んで作成します。

刃物を寸法通り曲げ・切断する技術は
抜型製造にとって非常に重要で、
弊社でも長年経験を持つ技術者が担当します。

しかし、精度良く形状通り曲げた刃物も
ベース溝精度が高くなければ、
刃物はベース溝の通りに歪んでしまいます。


さらにベニヤは剛性が低いため、プレス衝撃で刃物が動き、
寸法バラツキが大きくなります。

ベニヤにレーザーで小径凸形状を加工しました(溝幅:0.7㎜)

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ベニヤは素材自体が均一でないため、レーザー溝が一定になりません。
また
加工面が焦げて炭化してしまい強度が低下します。

完成した抜型は刃物が埋め込まれているので、
溝のみを見る機会が少ないと思いますが、
実際、刃物を入れる前のベニヤ溝はこの様な状態です。

目視でも歪んでいるのが確認できます。
この溝に刃物を埋め込んで、
0.01㎜単位の寸法実現出来るでしょうか?

短い刃物の強度は保てるでしょうか?

結論、ベニヤでは不可能です。

同形状をアルミベースで作成しました。

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アルミベース溝は、
レーザーとは違い機械加工で溝を形成するため、
均一で高精度の溝が実現できます。
またレーザーによる加工面の炭化がなく、剛性も強いため、
短い刃物で
も強度を保つ事ができます。

高精度を実現するには金属ベース抜型しかありません。