抜型技術向上ブログCutting die technology improvement blog

彫刻刃型の鋼材種類について
高硬度 粉末ハイス鋼による量産加工
【抜き型/彫刻刃型/抜き量産加工】2021.09.15

弊社では彫刻刃型に使用する鋼材を
加工する材料に合わせて提案しています。

彫刻刃型紹介ページ

・ステンレス焼入鋼 HRC54
・ダイス鋼 HRC60
弊社標準仕様は上記2種類となります。
価格と硬度、靭性のバランスが良い鋼材です。

抜き加工は加工材料、切断品質、寸法精度の要求により基準が大きく異なります。
例えば・・
1.要求品質高い:スマホ、タブレットなどに組み込まれる光学フィルム、機能性フィルムなど
  材料   高硬度、複層材料
  切断品質 光学特性を損なわないよう端面品質や面粗度の数値管理まで求められる
  寸法精度 スマホなどベゼル(額縁)設計が年々狭くなりマージンが減っている。
  そのため、百分の1mm単位の精度が求められる
2.要求品質低い:車載用発泡ウレタン、フィルター用不織布など
  材料   繊維や発泡状の柔らかい素材
  切断品質 大きな切れ残りなどが無ければ、切れていれば問題無い
  寸法精度 材質が柔軟なため変形しやすいことから1mm単位などでも問題無い

 上記のような要求品質の違いと生産数量などを加味し鋼材種類、刃先形状のご提案をいたします。

・粉末ハイス鋼 HRC64~
 最近ご採用が増えているのが粉末ハイス鋼です。
 鉄鋼材料の中でも最も硬度が硬いのがハイス鋼です。
 なかでも更に粉末ハイス鋼は溶解ハイス鋼と比べ強靭性、耐摩耗性等に優れているとされています。

 標準材料に比べコストアップしてしまいますが、量産数量が多い場合の型ライフを比較すると、
 標準材料を作り直すよりも安価に済む場合もあります。
 型のライフが伸びれば作業時の段取り替え工数も減り実作業も円滑となります。
 特に要求品質が高く、軽微な摩耗や変形不良となってしまう
  要求品質の高い製品の場合ご採用が増えております。

高精度スチールダイ紹介
 この記事でも紹介している、ベースにアルミ素材を使用、
 直線的な部分はトムソン刃を使用しR部や変形部には上記ハイス鋼彫刻刃型を用いることで
 これまでのトムソン型に無い量産性と切断品質、寸法精度を実現することができます。

抜き加工の量産性を向上したい、耐久性が足りないなど、量産加工時のお困りごともぜひご相談ください。

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